肩こりとは何か?!
◆「肩こり」とは何か? ◇国民病? 厚生労働省の『国民生活基礎調査(平成22年)』によると、私たちが日常生活で自覚している症状のなかで、肩こりは女性では1位、男性では2位になっているほどです。 《男性》1位:腰痛 2位:肩こり 3位:鼻炎 4位:咳や痰 5位:関節痛 《女性》1位:肩こり 2位:腰痛 3位:関節痛 4位:鼻炎 5位:だるさ 「肩こり」については色々な情報があふれ、何が真実で、何が間違っているのか見分けが付かないのが実情です。そういった背景には「肩こり」ほど千差万別で、人によって状況が異なり、また、人によって感じ方が違うからではないでしょうか? ◇肩こりの原因はなに? テレビや雑誌でも「肩こり」を取り上げられているのをよく見かけます。その多くの説明は、「同じ姿勢によるデスクワーク」、「目の疲れから」、「体が硬い」、「冷え症」、「運動不足」、「寝方が悪い」、「まくらが悪い」などなど…! そして最終的には「何らかのストレスによる…」とか、「自律神経の乱れによる…」等と、なんとなく分かった様な分からない様な内容で、「なるほど!」と思えるものはありません。 ◇原因は・・・! 肩こりの原因については、多くの方は薄々気づいているのですが、はっきりと書いたものは見た事がありません。 では肩こりの原因は何か? 「同じ姿勢によるデスクワーク」をしているから? では、想像してみて下さい… 業績がうなぎ上りの時は肩こりを感じるでしょうか? 少なくても今よりは感じません。 そして、何時間ディスプレイを見ても目も疲れません。 「体が硬いから?」 体の柔らかいバレリーナだって肩はこります。 「冷え症だから?」 冷え症の方でも肩が凝らない人はいます。 「運動不足?」 普段から運動をしているアスリートだって肩はこります。 「寝方が悪いから?」 寝方が悪いと言っても気を付けようがありません! 「まくらが悪いから?」 その枕で寝れた時だってあるはずです。 例えば、大好きなゲームをしている時は「同じ姿勢によるデスクワーク」と環境は変わりありませんが、肩はこりません。夢中になってやっている時は、何時間ディスプレイを見ても目は疲れません。 反対に、「嫌いな作業」、「やりたくない作業」を同じパソコン、同じ姿勢でやってみたとします。姿勢や動作が同じでも、やはり作業の方が肩がこります。まして、「嫌いな上司に見られている」、「業績が落ちている」等の環境になると数分で肩が凝ります。 この様に、肩こりの原因については諸説ありますが、全てに共通して言える事は「こころ」です。 ◇〇〇していますか? 「それを言っちゃ~おしめ~よ~」と言われそうですが、漢方医学的に25年間「肩こり」と向き合ってきた経験では、「肩こり」の原因の多くは「こころ」となります。 しかし、大切なのは「こころ」と「ストレス」はイコールでは無いと言う事です。 実際に、肩こりを訴えて治療に見える方でも、「仕事は楽しい!」「家事は好きです!」「やりがい持ってやっている!」と言う方もたくさんみえます。中には「ストレスと感じた事は有りません」と言う方もいます。 大切なのはこころの状態なのです。 簡単にいえば、「ワクワクしているかどうか!」なのです。 「仕事は楽しい!」「家事は好きです!」「やりがい持ってやっている!」と言う方はきっと「ワクワク」して仕事、家事をこなしているのでしょう。 それでも、肩こりを感じると言う場合は「ワクワク」以外の「責任感」「向上心」「プレッシャー」が少しだけ「ワクワク」を上回っているのでしょう。 (もちろん、寝る時間がないほど忙しいと言う方は別ですが…) 業績が右肩上がりで、才能を認められ、順風満帆に仕事をしていても、やはり、走り続けるのは疲れるものです。 いつかその状態に慣れ、マンネリ化もします。 向上心の有る方はさらに上を目指そうとするでしょうし、現状維持のために努力をし続ける方もいるでしょう。 「家事は楽しい」、「子育ては楽しい」と、やりがいを持ってやっている時期は有っても、時間が経つとその状態に慣れ、いつか環境が変わり自問自答の日が来る事でしょう。 そこで大切になってくるのがこの「ワクワク」ではないでしょうか? 反対に「ワクワク」が一切ない環境では、肩こりはおろか、肉体的にも精神的にも不健康になる一方です。 ◇こころの健康は体の健康から ワクワクが勝っている時はどんなに働いても、どんな逆境でも楽しく乗り越えられるでしょう。 問題はこのワクワクをいかにキープするかです。 そして、ワクワクして生活を送るには健康でないとワクワクできません。 会社の問題、家庭の問題は我々ではどうしようもありません。 我々がお手伝いできるのは、体を健康に保つ事です。 人間のこころは素直なもので、ちょっとした体調不良でも喜怒哀楽に偏ってしまいます。 「昨日寝れなかった」「風邪気味」と言った、ちょっとした体調不良でさえ、楽しく生活することができなくなります。 まして、肩こりが増し、疲れが溜まった状態ではワクワクできなくなってきます。 疲れてヘトヘトな時に「ばかやろ~」と言われるのと、よく寝ておいしいものを食べた後に「ばかやろ~」と言われるのでは、どちらがこたえるでしょうか? ワクワクするには、ワクワクできる体調づくりが大切になってくるのです。 肩こりを訴えてみえる方は、ある程度パターンがあります。「パソコン作業が続くと…」「夜寝れなかった時は…」「週末になると…」といったパターンがある方は、その前後に肩こりを治療し、ワクワクできる状態をキープできると良いですね~。