むくみに悩む人は、男性より女性に多く見られます。その背景には、次のようなことが考えられます。女性の体には、子宮や卵巣といった、妊娠・出産に関係する重要な臓器が備わっています。子宮や卵巣があることで、男性よりも、血流が足から心臓へ戻りにくいことがあります。通常は問題ありませんが、妊娠して子宮が大きくなったりすると、むくみを来すことがあります。また、女性には、月経があり、ホルモンの分泌が周期的に変化します。ホルモンのバランスが変化すると、体内の水分調節にも乱れが生じ、むくみが起こることがあります。当然肥満はむくみを助長させます。また信じられないかもしれませんがストレスからもむくみを来たします。20-50歳代の女性で、ストレスを感じやすく、精神的に落ち込みやすい状態にあり、神経質でまじめな性格で、几帳面さからイライラすることが多い女性などは典型的なむくみやすい体質、性格で、「突発性浮腫」という病名が付くほどです。

漢方はり治療では

水は常に動いていて正常です。心臓、腎臓、肝臓に異常が無ければ、口から取り入れた水は胃腸で吸収され、汗や、おしっこや、便、呼吸の中に含まれる水蒸気として排出されます。しかし吸収した量より、排出した量のほうが少なければむくみとして停滞します。夏の冷房などで、体が慢性的に冷やされると汗は出にくくなり、またストレスなどから精神的に落ち込むと発散する力が弱まり、汗も出難くなります。また同時にストレスからの緊張により、小便の回数は多くなるのですが、おしっこは「ちょろちょろ」と少ししか出なくなり、結果として水分は停滞し、むくみへと変化します。ほぼ現代病といっても良いくらい多い症状です。

治療

むくみの中でも細かく見ていくと色々あるのですが、皮膚がかさかさに乾燥してその下に多く水を含み、むくんでいる場合では、中の水を皮膚表面まで持ち上げる力が弱いため皮下に水が余ってむくんでいるのです。このような場合では皮下の水分が、皮膚表面まで上がってきて、汗としてうるおい、発汗できるようになれば、むくみは改善されます。体を温めるように治療し発汗、発散できるつぼを選んでハリをします。次に、皮膚表面の潤いはあるがむくんでいる場合では皮下に停滞した水が血管に戻らず、むくんでしてしまっているパターンです。このような場合では水分をおしっことして排出できるように治療します。特に利尿効果のあるつぼを選んでハリとお灸をしていきます。