目をよく使うから?

最近注目されている病気に、「ドライアイ」と言う病気があります。症状として、文字通り「眼が乾いた感じがする」「眼が疲れる」「眼が重たい」「不快感が有る」「目が赤い」と、一連の眼精疲労の症状を表します。しかし、これらの症状を表す方が、すべて、「目をよく使うから」かと言うと、そうでは有りません。普通にテレビを見ていたり、日常生活をしていても疲れるといいます。中には、「目を明けているだけで疲れる!」と言う方もいます。

原因は何?

現代医学的には、眼の疲労は、目の使いすぎ、涙の分泌量の不足、涙の成分の変性などが原因とされますが、東洋医学的には少し考え方が違い、眼はかなり血を必要とし、その血の偏在によって症状は表れると考えます。
何らかの原因で、眼に血の気が多いと、目の周辺は熱く感じるようになります。眼を冷やすと気持ちいいという方は、目に血の気が多いタイプです。眼に熱がこもると、目玉は外に押し出され、押すと硬く感じ、異物感、羞明(まぶしく見える)、しょぼしょぼする、充血する等の症状を訴えます。当然、眼に熱感が多いので、涙も乾いてしまいます。多くは夕方から悪化します。この逆に、眼に、血の気が少なくても症状は表れます。眼は起きている間は絶えず使っていますので、いつでも働かせられるように絶えず血が巡っています。しかし、血の気の少ない人では、知らず知らずのうちに、目を閉じるようになります。人と話をしていても、家でくつろいでいても、癖のように目を閉じています。症状としては視力低下、近視、遠視、複視、早くからの白内障などが現れ、体が疲れると、眼も疲れる、また逆に、目を使いすぎると、体まで疲れるなどと言うようになります。多くは朝方に目の疲れを感じます。また、目が小さい人に多いのも特徴です。

治療

治療はまず、血の偏在を起した原因にアプローチします。血の気が多く熱感のあるタイプをさらに細かく分け治療していきます。①のぼせて顔がカッカしてしまうタイプでは、多くは足が冷えていますので、足に血の気を引くように、足のツボを使い鍼をします。②ストレスなどから常にイライラして逆上しているタイプでは、胸に熱が多くたまっているため、この胸の熱をうまく発散させるように鍼をします。③食べ過ぎ、飲みすぎなどから、胃の熱が咽、鼻を通じて、逆上しているタイプでは、胃の熱を収めるツボに鍼をします。当然、肩、背中の凝りも治療しないと眼はすっきりしません。  眼に血の気の少ない方は、とにかく血液量を増やし、血の循環をよくするように鍼をします。