中耳炎は慢性になると厄介な病気です。最近は慢性化する子どもが急増中!!ここでは中耳炎について簡単に説明していきます。

耳のつくり

耳は、「音を聞きとる」「体の平衡感覚を保つ」など大切な働きをしています。耳は、体の外側から内側に向かって「外耳・中耳・内耳」の3つの部分で構成されています。
中耳は「耳管」という細い管で鼻腔の奥の部分とつながっています。その為、鼻の奥にいる細菌が耳管を通って中耳に感染すると「中耳炎」が起きます。

中耳炎が子どもの多い訳

中耳炎は特に子どもに多い病気です。子どもの方が大人に比べて耳管が短く、傾斜もなだらかな為、鼻にいる細菌が中耳まで到達しやすいのです。

漢方はり灸診断

私たちの鼻の奥には1歳を過ぎる頃から細菌が常に存在するようになります。これを「常在菌」といい、普段は数が少ないので体に悪い影響を与えることはありません。ところが、カゼをひいたりすると鼻の奥の常在菌が増加します。つまり「免疫」や「抵抗力」といった働きの低下が大きく関係します。
漢方では気・血・水(身体の構成要素)が正常なら「正気」(抵抗力)が充実し病邪(細菌やウイルスなど病気の原因)に勝ち、健康が維持されるとしています。はりとお灸をすることで気・血・水の流れを調整し体の不調が改善されれば、常在菌の数も増えず感染も防げます。また、炎症部分だけでなく全体の流れで診断していくのも漢方はり灸治療の特徴です。耳を流れている経絡(身体の構成要素である気・血・水を送り込むシステム)を利用し、炎症を抑える作用のあるツボにはりとお灸をしていきます。

小児の場合

小児の場合は、小児はりを使用しますので痛みはありません。また、大人の場合の治療内容も小児の場合と大きく変わらないのでほとんど痛みはありません。

注意点

中耳炎になったら、もち類やせんべい類、赤飯などのもち米製品、カニ、海老、タケノコ、貝類、チーズ、香辛料などは避ける必要があります。これらの食品は、化膿や炎症を悪化させる可能性があるからです。また胃腸の消化機能の弱い子ども、高齢者は、冷たいジュースなど体を冷やす食品も避けるべきでしょう。