頭痛や腰痛、めまい、腹痛など、思い当たる節のないのに、月に1回程度発症する症状はありませんか?
それ、ひょっとして生理周期によるものかもしれません。
昨日まで調子良かったのに、何の前触れもなく悪化する症状に生理周期が関係していることがあります。 生理周期はお肌のトラブルやメンタルの不調につながることもあります。不摂生していないにもかかわらず吹き出物が増えたり、ささいなことでイライラしたり、落ち込んだり…
今回は生理周期と体調の関係について解説させて頂きます。
症状が起こる仕組みを理解していただくと、遊びや仕事、リラックスする時期などの計画が立てやすくなります。

☆生理周期について
最初に生理周期についてのおさらいをしたいと思います。
「生理周期」とは、生理の開始日から次の生理の前日までの日数のことを指します。
東洋医学では7の倍数で区切られるのが正常とされていますので、28日で生理周期が1周するのが正常です。正常な生理期間は、3~7日で、平均すると、生理期間は5日程度とされています。生理が始まって14日ごろに排卵が起き、その14日後に再び生理が起こります。☆漢方医学では
漢方医学では症状を「寒」と「熱」に分けて考えるので、寒がりさんの「寒タイプ」と暑がりさんの「熱タイプ」の2パターンについて解説します。

①【生理期】
生理期は実際に出血を伴いますので様々な不調が現れやすくなります。
〈寒タイプ〉
寒タイプの方はもともと子宮に血液を多く集められていません。そのため経血も色が薄くシャビシャビです。やっとの思いで集めた血液を体外に排出されると、一気に子宮が冷えるため、その周辺にある大腸小腸も冷やされます。生理が始まると一気に下腹部が冷えるため下腹痛、腰痛、下痢を起こします。下痢をすると症状が落ち着きます。
更に元々貧血傾向のため、出血が多かったり長引くと貧血から来る激しい頭痛になります。

〈熱タイプ〉
熱タイプの方は、子宮内に多く血液を集めているため、子宮内膜も順調に厚くできる一方、熱を持ちすぎると、子宮内膜がはがれるときに猛烈な痛みを伴い、経血もレバー状に固まることがあります。この場合下腹部を触っても冷たくはありません。腰痛や下痢も伴いません。子宮内膜が剥がれ切ってしまうと下腹痛は一気に無くなります。

②【卵胞期】
寒タイプ、熱タイプ共に1ヶ月で1番心身の安定したすこやかな時期です。
〈寒タイプ〉
月経前から月経中にかけて食欲が増すのですが、もともと代謝の悪いタイプなのでガッツリ食べ過ぎると、胃腸に負担がかかり、食欲が一気に減り「食べなくても平気」と言う時期が増えて、食欲のムラができてしまいます。食欲が増す事は健康な証拠ですが、食べ過ぎる状態は避けて下さい。
〈熱タイプ〉
月経前から月経中にかけて食欲が増すのは「寒タイプ」と同じなのですが、代謝の良い「熱タイプ」の方は、消化吸収能力も高く、食べ過ぎると、そのまま体重増加につながってしまいます。

③【排卵】
排卵には気が付かない方がほとんどですが、排卵をきっかけに体温が急変するた
め、体調も急変しやすい時期です。
〈寒タイプ〉
排卵前はさらに体温が低くなるため猛烈に眠くなることがあります。体を休め消化吸
収能力を高めることによって、エネルギーを蓄え、排卵、高温期、妊娠に備えようとし
ているのです。
〈熱タイプ〉
体に熱を持ちやすいタイプの方は炎症も起こりやすいタイプです。排卵ごろにひどい下腹痛が有り年々悪化する場合は子宮内膜症や卵巣嚢腫も疑われます。

④【高温期】
体温を上げるにはかなりエネルギーを消耗するため、高温期の後半には色々な不調があらわれます。
〈寒タイプ〉
代謝の悪い寒タイプは、排卵後に体温を上げるのに必死で高温期の後半はくたびれてしまい、猛烈な眠気に襲われ、不安感、落ち込み、虚無感が増し、ひどいときには、人に会うのも嫌になります。
〈熱タイプ〉
体に熱がこもり便秘、肌荒れ、肩こり、頭痛、不眠から些細なことでイライラする様になります。