西田中院にて午後のスタッフをしています西です。
最近お灸の香りや、温かさを気に入っていただける方が増えてきました。
お灸やモグサについて説明する機会も増えたので、今回は「もぐさん」でおなじみ、モグサ製造会社の「山正」さんの工場見学へお灸大好き女性鍼灸師7人が参加してきました。
少数精鋭で、創業当時からの手法を守って130年。私たち鍼灸師には欠かせない存在です。
工場は伊吹山が見える滋賀県にあります。伊吹山は、ヨモギの宝庫と知られていて、江戸時代には「お灸の故郷」といわれるほどモグサ問屋が集中していたそうです。今でもモグサを製造している会社がいくつか存在しています。
お灸で使うモグサは、ヨモギの葉から出来ています。
中でも、葉の裏にある白い部分が多いモグサほど良質と言われています。熱さや感じ方にも違いがあらわれるので、お灸の手法もそれに合わせて行なわれています。
こちらの工場では、良質なモグサをメインに製造されていました。
工場といえど、ほぼ手作業。写真NGなどありますが、質問には全て答えてくれるモグサ愛の強い工場長さん自ら案内していただきました。
①ヨモギを乾燥させます。天日干しさせ、乾燥炉へ入れ更にカラカラにします。
②カラカラになったモグサを、3つの石臼を駆使して粉砕していきます。
③1日置いた元モグサたちを「長通し」でふるいに掛け、余分な粉を落とします。(ここで100キロの元ヨモギが40キロに)
※この時の粉はヨモギパウダーと呼ばれ、よもぎ蒸しやよもぎパック(入浴剤)などに利用されます。
④「とうみ」で更に粉を落としていきます。繰り返していくと、私たちの知るふわふわしたモグサの完成です。
この工程は、基本湿度の少ない時期に行われますが、モグサは燃える草=燃草とも言われるほど着火しやすく、火気厳禁な現場です。乾燥の熱と昨今の暑さで、工場内の職人さんたちは汗だくになりながら、慎重に作業されています。
学生時代に工程を勉強しますが、実際にお灸を行うようになってからの方が興味満載で、出来上がっていく過程が楽しかったです。
工場長さんのモグサ愛に負けないように、こちらも熱が入り過ぎたのか40分位の予定が1時間超え。更に駐車場でお互いに語り合って30分以上…長居いたしました…
お灸は、ただ温めるだけではなく、全身の血の巡りを良くする大事な手法です。
ただ残念ながら、お灸を行う鍼灸院が減少傾向にあります。
一生懸命手作業で作られているモグサを見て、改めてお灸を続けていく大切さを感じました。
清州鍼灸院では、山正さんのモグサでお灸を行なっています。
手作業で製造されたお灸を、満喫していただけますので、ぜひ体感してください。
山正さん、ありがとうございました。