膀胱炎とは

「膀胱炎」とは、膀胱の粘膜に炎症が起こる病気です。ウィルスや薬剤が原因となることもありますが、ほとんどの場合、膀胱炎は、大腸菌などの「腸内細菌」の感染によって起こります。また、膀胱炎は女性に圧倒的に多くみられ、実際、女性の5人に1人は、一生の間に1回は膀胱炎にかかるといわれています。このように膀胱炎が女性に多いのは、膀胱炎の起こるメカニズムと密接な関係があります。膀胱炎の原因となる細菌で、いちばん多いのは、「大腸菌」です。大腸菌は、誰もが持っている細菌で、肛門部にたくさんいます。この大腸菌が尿道を伝い、膀胱の粘膜に付着して膀胱炎を引き起こすのです。そして女性は男性に比べ尿道が5cmと短く菌が進入しやすいので、女性に多く発症するのです。

清潔にしていればいいの?

もちろん清潔にするというのは当然です。しかしいくら清潔にしていても大腸菌などの菌類はどこにでも存在しているため限界があります。また膀胱炎によくなる方が不潔かというとそうではありません。膀胱炎は過労などで体の免疫力が落ちたときに多く発症します。免疫力が落ちていないときは菌類が存在していても発症はしないのです。また下腹部の冷えなどから膀胱周囲の血行不良を起こしても発症しやすくなります。この点でも冷えやすい女性に多く発症しやすいのです。疲れているときに、寒いところで、おしっこを我慢していたりすると膀胱炎になりやすいのです。

症状

*頻尿・・・通常健康な人は一日の排尿回数は5~6回なのですが、膀胱炎になると回数は極端に増え、ひどい時には30分~1時間おきにトイレに行く人もいます。
*排尿痛・・・排尿終了時にツーンと強い痛みが残り、排尿後も痛みが残ることもあります。また、炎症の熱のため、下腹部の痛みや、腰痛を起こすこともあります。
*尿意切迫感・・・膀胱にある知覚神経が過敏になるため、一度尿意を催すと我慢できなくなり、トイレに駆け込むようになります。
*混濁尿・・・尿の中に白血球などが出てくるため、尿が白っぽく濁ります。この他症状が進むと血尿が出たり、排尿した後出血することもあります。

漢方はり治療では

免疫力が低下しているような場合には体力が回復するように治療します。胃腸の働きを活発にし、炎症を抑える作用のあるつぼにハリをします。また、腎・膀胱の働きを活発にし排泄力を強化させるつぼも使います。下腹の冷えに対してはお灸を併用します。膀胱炎を繰りかえす方は、この下腹の冷えが慢性化している場合が多く、この下腹の冷えを取っておかないとまたすぐに膀胱炎になってしまいます。患者さんには温かいお茶を多く取るように指導します。水分を多く取ると尿量が増え、膀胱内の細菌を洗い流すことができるので、膀胱炎が早く治ります。