喘息とは

喘息(ぜんそく)とは喘(あえ)ぎ息(いき)をすることから喘息と呼ぶようになりました。喘息の症状は咳き込んだり、ヒューヒュー、ゼーゼーと笛が鳴るような呼吸音がしたり、激しく咳がでて、呼吸が苦しくなったりする(呼吸困難)疾患です。これらは気道(気管支)が炎症により細くなり、呼吸が妨げられることから起こります。色々な刺激に対して、過敏に反応して炎症をおこします。喘息は慢性に気管支が炎症を起こしていて、狭窄によって発作を起こします。アレルギーやストレスによって炎症が引き起こされる場合もあります。
喘息の発作は夜中や明け方に多く、お昼頃にはケロッとしていることが多いです。
小児では肩で呼吸したりする子もいます。成人では痰を伴うこともあります。喘息の発作を繰り返し起こす病気が気管支喘息です。(普通は喘息と略されています)


漢方はり治療では

同じ喘息であっても症状の現れ方は様々で、先ず症状を「熱」と「寒」の二つに分類し、体の中で何が原因となり、今どういった状態なのかを考えます。
熱による喘息といっても、発熱の「熱」とは違い、決して体温計で測っても熱があるわけではありません。肺や呼吸器に熱がこもっている状態を言います。熱がこもっているので、胸や背中を触ると熱くなっています。肺の中はその熱により乾かされますので、咳の出方も乾いた空咳が多くなります。乾燥した時期なると症状は悪化します。熱がこもっていると同時に、体質的に体に水分の多い方がいます。胸に熱が多く、なおかつ水分も多いので、肺の中はミストサウナの様な状態となります。そしてその水分は痰となり、痰の絡んだ咳が出ます。熱が多ければ多いほど痰の色は濃くなります。湿気の多い時期に悪化します。
寒による喘息では、やはり、肺や呼吸器が冷えた状態なので、胸や背中を触っても冷たい場合が多く、体質などから慢性的に冷えているので産毛なども濃くなります。咳の出方は「熱による喘息」の咳ほど激しくは出ませんが、長時間続き、どちらかと言うと呼吸困難が主になります。痰は出ても水っぽい薄い痰が出るだけです。寒くなると悪化します。


治療

治療は先ず、熱や寒を改善させる性質のある手足のツボを使って鍼をします。そして呼吸器のある上半身、特に背中を重点的に治療します。実際に肩や背中に、寒熱が原因となって血行が滞りますので、血行が改善されるように鍼をします。血行不良から、喘息とは別に、コリや痛み、また、頭痛、めまい、歯茎が腫れるといった喘息の患者さんは多く見えます。鍼は経絡を流れる気を調節するだけですので決して深くは刺しません。もちろん痛みも感じません。