更年期っていくつくらいを言うの?

日本人の平均閉経年齢は「51歳」という統計が出ています。そして、51歳を境にした10年間の「46歳~56歳」を具体的な「更年期」という事になります。しかし、閉経には個人差が有るため、40代前半から50代後半の年齢を幅広く「更年期」と呼ぶ傾向が有ります。
この年齢になると、出産や子育てに関わる女性ホルモンが減少し始め、閉経を迎える為、女性の体の中で色々なバランスが急激に変化します。その為、この期間を特別に「更年期」と呼んでいます。

これも更年期?

最近、30代後半の方や60代の方でも「更年期でしょうか?」と言われる方がいます。そもそも「更年期」という言葉自体曖昧なものですが、「婦人科疾患」として捉えると、卵巣機能の低下に伴う「エストロゲン」という女性ホルモンの急激な減少が「更年期障害」の元となる、様々な症状を引き起こします。血液検査などでエストロゲンの減少などが見られない場合は「更年期障害」とは言わず、「自律神経失調症」という分類になります。

早く閉経した方が楽?

 早く閉経してしまえば「毎月厄介な生理が来なくて済むから楽!」と考えてしまいがちですが、早く閉経するという事は、体の中でも早く老化現象が来ると言う事です。やはり、人並みに、50歳前後で閉経を迎えることが望ましいでしょう。

更年期障害ってみんななるの?

 閉経はどなたにでも起こる事なのので、「更年期」という期間もどなたにでも訪れます。しかし、更年期に起こる様々な変化を「障害」として考えてみえる方は全体の2割ほどだそうです。約8割の方が「障害」とは感じていない様です。

〈内訳〉気になるが生活に支障はない・・・ 60.3%
かなりつらい・・・・・・・・・・ 19.0%
ほとんど気にならない・・・・・・ 17.5%
生活に支障が有る・・・・・・・・ 3.2%
(「更年期を終了した」という方211人に対するアンケート)

更年期障害ってどうなるの?

 閉経前後の不調を聞いたアンケートでは、1位は「ほてり、のぼせ」に関する、いわゆる「ホッとフラッシュ」と言われるもので、約半分の方が感じる不調にあげていました。「ホットフラッシュ」とは、急に何の前触れもなく、外出先や人と話している時、顔がほてって、のぼせた状態になり、頭、顔、首など、主に上半身から汗が出てくる状態のことを言います。何の前触れもなく現れるのですが、ちょっと心が動いたときや、ちょっと階段を駆け上がった時など、緊張した時や、激しい運動をした時のように動悸や発汗が現れます。2位以下は、肩こり、頭痛、腹痛、腰痛、冷え、動悸など身体症状を訴える方が3割、イライラ感、怒りっぽい、理由の無い不安感、絶望感など、精神症状を訴える方が約3割ほどみえます。

閉経の前兆はあるの?

 自分がいつ閉経するのかは、皆さん気になるところですが、予測は難しい様です。しかし、閉経した方の6割以上が、「生理不順に気づいてから2年以内」に閉経しているという結果になっています。そろそろ閉経かなという年齢に差し掛かり、生理不順になった頃が閉経のサインと言えるかもしれません。

閉経したら楽になるの?

 閉経すると、生理に関する色々な煩わしい事からは解放されるので、「生理痛がひどい!」など、生理に関係したトラブルの多い方は「楽になった!」と感じると思われます。反対に、生理に関係したトラブルが無い方でも閉経後からホッとフラッシュや肩こり、めまい、頭痛、イライラ、不安感など、体や心の不調を訴える事もあります。
 何となく、「閉経」というはっきりした事実が有ると「ゴール」というイメージになりがちですが、実際には「閉経」が第2の人生のスタートの様です
(日経ヘルス「更年期の不安を解消」参照)

清須市の鍼灸院で働く若先生より