今回は月経に伴う症状の1つであるイライラについて考えていきたいと思います。
ほとんどの女性が経験があると言われる月経に伴うイライラ、また月経前症候群PMSや少し段階の重い、月経前不快気分障害PMDDの代表的な症状もこのイライラになります。月経前になると些細なことでイライラしてしまう。ちょっとした事が許せない、ついついヒステリックになってしまうなど、頭では理解していても、感情が制御できず、悩んで見える方がたくさんいます。
現代医学的には月経前になると女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンの影響で何らかの体調不良を起こすのではないかと推測されていますが、いまだ原因解明には至っていません。
今回はこのイライラしてしまう原因を体質、体調から漢方的に分析し、理解することによって、ご自分の心と体のつながりについて理解していただきたいと思います。
漢方的にはイライラつまり「怒り」をこのように理解しています。
「怒れば則ち気逆す」
怒ったり、イライラしたりすると、誰でも顔が赤くなりますよね。「気逆す」と言うのはのぼせると言うことです。つまり、上半身が熱くなると言うことです。特に顔は服などで覆われていないので赤くなっているのが良くわかります。赤くなると言う事は血液がそこに多く集まっている証拠です。血液が多く集まるところは熱くなるのです。誰でも怒ると胸から上が熱くなるのです。
反対から言えば胸から上が暑いとイライラしやすい状態になるという事です。涼しく換気の良い部屋で作業している時より、もわーっと暑苦しい部屋で作業しているときの方がイライラしませんか?
人間は上半身が熱い状態だとイライラしやすく上半身が涼しい状態だとイライラしにくいのです。そして、体の熱はある程度たまると発汗して解熱するシステムが働きます。しかし乾燥肌傾向、汗が出づらい体質の人は熱が内にこもったままになります。こうなると、肩首頭には熱が停滞してしまい、ささいなことでもイライラしてしまう体調になるのです。つまり最初から頭に血が上っているのです。体温計では体温が高くなくても、月経前に肩首を触って熱くなっていればイライラしやすい体調になっていると言うことです。
更にこれを月経前の体調に置き換えると、ちょうど妊娠を助けるホルモンであるプロゲステロンが分泌され体温が高い、高温期の状態になります。高温期になると体が熱くなり熱が内にこもった状態になります。体温が高くなると人間はハイテンションになります。食欲が増え話す言葉も大きくなり、行動的になります。しかし、忙しかったり、スタミナがなかったりすると、体温が高くなることで、体力を消耗し、疲れやすい状態になるのです。体が疲れている状態で高温期になると、体にも心にも余裕がなくなるのです。体温が高くなるとテンションも高くなるのですが、イライラのテンションをますため、イライラした気分を抑えきれず激昂してしまうこともあります。上半身の熱の停滞と体の余裕のなさでイライラの度合いが決まるのです。月経前症候群PMS、月経前不快気分障害PMDDの方は上半身にすごく熱がこもって疲れ込んでいる状態とも言え、イライラがマックスの状態になっているのです。
漢方鍼治療では
乾燥肌傾向、汗が出づらい傾向の方は水分代謝を良くするツボに針をします。水分が肌表面まで上がってくれば肌は潤い上半身に溜まった熱を発散しやすくなります。汗をいっぱいかく必要は無く肌さえ潤っていれば適度に発散してくれるのです。
また、のぼせが慢性化した人は手足が冷たい傾向があります。本来手足にあるべき血液が循環できずに上半身に溜まってしまっているのです。手先足先のツボを使い上半身に溜まった血液を手先足先に引くことによって上半身を涼しくします。体が疲れている方は、疲れているだけで体がほてり、のぼせを引き起こしますので、疲れを取り除くような治療を行います。血流が循環し上半身に血液が溜まらなければイライラしにくくなるのです。このように、イライラする理屈がわかれば対処法が分かります。何より理屈が分かればご自分の体調を理解し安心できるんです。
今日のまとめ①上半身に熱がこもるとイライラしやすくなる。②血流を循環させると熱がこもらなくなる。③イライラしてしまうのは性格ではなく体調です。