☆妊娠中は体調が日々変わる
〈妊娠初期:4ヶ月ごろまで〉
妊娠するとホルモンバランスや血流が一気に変化し、様々な変化が起こります。
妊娠すると高温期を維持するため、代謝が高まり、疲れやすくなります。そして、まず挙げられるのはつわりです。
体温が高まり、子宮に血液を取られるため、胃腸に血流がいかず、消化吸収ができなくなります。その反面、子宮は大量に血液を必要とするため、食べなければいけません。しかし、食べると、胃腸自体は血流不足のために働かず、食べたものを消化吸収できません。食べたものが胃に残ると吐き気を催します。
つわりは、胃腸の働きと血流の代謝度合いによって症状が変わります。
〈妊娠中期:5ヶ月〜7ヶ月〉
体温を高いまま維持するには血液を大量に消耗し、なおかつ、胎児はどんどん大きくなり血液を大量に要求します。そのため、血流不足による、頭痛、目の疲れ、立ちくらみ、動悸、耳の詰まり感、肩こりなどがひどくなり、疲れが取れず、精神的にも落ち込みやすくなります。あまりひどいものが「マタニティーブルー」と呼ばれるものになります。
〈妊娠後期:8ヶ月〜〉
お腹も大きくなり、お腹の張り感、腰の痛み、坐骨神経痛、子宮が大きくなることによって便秘や頻尿などが起こります。
これらは、病院では対処できず、「妊娠中だから仕方ないですね…」と解釈されています。
しかし、これらすべての症状に漢方はり治療はアプローチできます。

☆妊娠中だからこそ快適な生活を
日本は妊婦さんに対して、優しいようで厳しい社会です。お仕事をされている方は、特に実感するのではないでしょうか。
女性にとって妊娠期間は充実した期間でなければなりません。かけがえのない限定された期間を有意義に過ごすべきなのです。有意義に過ごすことで、体調にも大きな変化が現れます。
その1つに最近注目され、「愛情ホルモン」とか「幸せホルモン」「絆ホルモン」とか言われている「オキシトシン」があります。
「オキシトシン」の大きな役割は、「子宮収縮」です。出産の時に陣痛が始まりオキシトシンが分泌されることにより、子宮が収縮しスムーズに出産できるのです。
オキシトシンは副交感神経優位の時に分泌されることがわかっています。つまりリラックス状態でないと分泌しないのです。体調不良や精神的不安、ストレスのあるときには分泌しにくいのです。
妊娠中に体調が良くストレスのない状態で過ごすことにより、オキシトシンが分泌されやすく安産にもつながります。
そして、オキシトシンは「愛情ホルモン」「幸せホルモン」「絆ホルモン」と言われるとおり、あかちゃんの事を愛おしく思えば思うほど分泌され、母乳が出やすくなり、反対に、赤ちゃんが乳首を吸うと、その刺激によって母性がさらに深まり幸せを感じます。さらに、男性でも誰かを幸せにすることでオキシトシンは分泌され、赤ちゃんのおむつ替えや抱っこで、赤ちゃんからオキシトシンが分泌され、育児を手伝って貰うママへと幸せは連鎖し、絆が生まれるのです。