★頻尿(ひんにょう)とは・・・

 個人差もありますが、大人が一日に排尿する回数は、日中に5回程度、夜間に0~1回が平均的といわれています。しかし、色々な原因で回数が増えると、頻尿とよばれる状態になります。  現代医学的には「頻尿は一日に8回以上の排尿」と、定義が決められており、一日に何度もトイレに行きたくなる症状があれば頻尿と考えてよいです。  水分を大量に摂った後や、ビール、お酒を飲んだ後は、排尿回数も増えますが、水分を多く摂っていないにもかかわらず、排尿回数が多いものを頻尿と言います。その為、頻尿の方は、一度の排尿量が少ない事が前提です。一度の排尿量が多いにもかかわらず、回数も多い場合は、糖尿病などが隠れている場合があるので、一度検査する事をお勧めします。  

★夜間頻尿について

 「夜間の頻尿」に関しては悩んでいる方は多くみえます。こう言った話題はあまり大きな声では言えないので「自分だけ?」と思われている方も多いようですが、実はある程度の年齢になると、多くの方が悩んでいます。  「夜間頻尿」とは寝てから朝までの間に、1回以上排尿の為に起きる事を言います。年を取ると1回位は仕方が無いにしても、2回、3回は多すぎです。  夜間頻尿は、睡眠の質を著しく低下させるため、「眠った気がしない」「眠りが浅い」など、満足感にも影響し、ストレスの原因にもなります。  また、たとえ自宅とは言え、暗い夜中に何度も起きると転倒の危険もあります。  

★原因は何!?

 夜間頻尿の原因は色々ありますが、現代医学的には大きく分けて、①体のむくみ、②膀胱の問題、③前立腺の問題、④睡眠の問題の4つが有ります。

①体のむくみ

 人間の体は、年齢とともに腎臓、膀胱、心臓の働きが緩やかになってきます。肉体労働をあまりしずに、汗をかく機会の少ない人ではなおさらです。日中に運動や労働で心拍数をあげないため、血流が悪くなり、体が浮腫むようになります。「朝方手がこわばる」、「夕方足がむくむ」という方は体に余分な水が停滞していると言えます。  細胞はゴム風船と同じで、一度膨らんでしまうと、膨らみやすくなってしまいます。膨らみやすくなった細胞にはたっぷり水を含んでいるのです。  本来、尿は水分代謝の盛んな日中に多く作られます。しかし、年齢とともに、運動が少なくなり、腎臓、膀胱、心臓の働きが低下すると、排尿の機能が遅れ、夜間の尿量が多くなってしまいトイレに行きたくなるのです。 また、体がむくむ方は、水分の摂取量が多い方や、昼間の排尿回数が少ない方がみえます。

②膀胱の問題について

  膀胱には、腎臓で集められた水分と体内の老廃物を尿として保持する機能があり、膀胱が一定の大きさに達すると、尿意を脳に伝えて排尿を行うはたらきがあります。 膀胱に問題が有り夜間頻尿を起こす原因として、神経因性膀胱、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱炎、膀胱がんなどがあります。その中でも、神経因性膀胱、過活動膀胱が夜間頻尿の主な原因となります。神経因性膀胱、過活動膀胱では、膀胱と脳の連絡や、尿を溜める膀胱の機能が障害され、膀胱が過剰に活動して尿を出そうとするため、急に尿意をもよおして我慢出来なくなったり、あまり溜まっていないのに頻繁にトイレに行ったり、また、トイレに行っても出ない。 間に合わなくて漏れてしまう、などの症状が有ります。 ③前立腺の問題
 前立腺とは男性特有の臓器で、膀胱の下で尿道をぐるりと取り囲むように存在しています。前立腺が肥大する、あるいは前立腺の筋肉が過剰に収縮することで尿が出にくくなるなど、男性特有の排尿トラブルを引き起こす原因となっています。前立腺の異常は年齢と共に増加し、主な症状は「排尿後もおしっこを出し切っていない感じがする」(残尿感)をはじめ、「おしっこが出始めてから終わるまで時間がかかる」「尿に勢いがなく途切れる」(尿勢低下)などです。

④睡眠の問題

 睡眠障害も夜間頻尿の原因になります。特に眠りが浅い方は、「トイレに行きたくて起きるのか、目が覚めるからトイレに行くのかわからない」という方も多いです。排尿の問題というより、睡眠の問題の方もみえます。

★漢方はり治療では

 漢方医学では病態を「寒」と「熱」の二つに分類して考えます。 ☆「寒」による夜間頻尿  体が冷え傾向で、冷房の利いた所など寒い所にいると排尿回数が増えます。日中も頻尿傾向が有ります。夜間の排尿も、透明な匂いの少ない尿が出ます。  体質的に冷え症だと感じる方はもちろんですが、暑がりの方でも冷たいものの摂り過ぎや、薄着や運動不足等により、下半身、下腹部だけ冷える「寒」のタイプに分類されます。実際に下腹を触ると冷たいのが特徴です。また、体にむくみが多いと「暑がりで寒がり」になり、慢性化すると「寒」のタイプに分類されます。 ☆「熱」による夜間頻尿  人間は寝付くと体の芯が温かくなります。しかし、加齢や高血圧などが重なると、体が火照るようになり、体や内臓に熱が多くなり過ぎてしまいます。寝付くと「体がかゆくなる」、「足が火照る」と言う方は「熱」のタイプです。熱が多いと言う事は、血流が停滞していると言う事です。血流が停滞すると、体が熱くなりすぎて目が覚めたり、口が渇いたりします。寝ている間は内臓は活発に働いているのですが、血流が停滞すると膀胱も活発に働き過ぎてしまい、まだ尿が溜まっていないにもかかわらず尿意をもよおす様なります。おしっこがしたくて目が覚めるのですが、トイレに行っても濃いおしっこが少量出るだけです。

★治療

 「寒」による夜間頻尿の方は、足、腰、お腹のツボを使い、下半身を温めるように治療します。下半身の血流が良くなる事により下半身が温まり、むくみ難くなり、日中の尿量が増え、夜間の排尿が減ります。  「熱」による夜間排尿の方は溜まった熱を発散し、溜まった血流を分散するように治療します。熱が溜まらなくなれば膀胱も異常亢進しないため、夜間排尿が減り、眠りも深くなります。

清須市の鍼灸院で働く若先生より