今年初の学会
僕たちは、漢方鍼医会と言う学会に所属し、月2回、東京と名古屋の研修に参加しています。
昨日は今年初の学会に行ってきました。
午前は『難経』と言う鍼灸に書かれた古典書物の読み解き出した。
書かれているのはすべて中国の本ですので、原文は漢文です。
こんな感じ・・・
【原文】
二十二難曰.経①言.脈有是動②.有所生病③.一脈輒變爲二病者何也.
然.経言、是動者氣也.所生病者血也.邪在氣.氣爲是動.邪在血.血爲所生病.氣主コウ④之.血主濡之.氣留而不行者.爲氣先病也.血壅⑤而不濡者.爲血後病也.故先爲是動.後所生病也.
僕は不勉強で、これでは読めないので、訓読にした参考書を読んで理解するようにします。
【訓読】
二十二の難に曰く、経にいう、脈に是動あり、所生病あり、一脈すなわち変じて二病となるは何ぞや。
然り。経にいう、是動とは気なり、所生病とは血なり。邪、気にあれば、気これがために動ず、邪、血にあれば、血の生ずる所の病をなす。気はこれをコウむるを主る、血はこれを濡すを主る。気留まりて行らざれば、気先に病むをなすなり。血壅がりて濡さざれば、血後に病むをなすなり。故に先ず是動をなし、後に所生を病むなり。
つまり、昔の本に「是動」という病気と「所生」という病気があるけど、、これはどういうことか。という問いに、「是動」とは気の病気で、「所生」とは血の病気であると答えています。
邪気が気に影響すれば経絡に変調を起こし、邪気が血に影響すれば血の変調による病気を起こすと言う事です。
気は温める作用があり、血は潤す作用がある。気が停滞すると先に気の病気になる。気が病むと血の流れが悪くなり後に血が病む。だから先に是動の病になり、その状態が続くと、後に所生の病になるのである。
要するに、「是動」とは、「これ動く」と言う事で、少し治療しただけで治る可能性の高いちょっとしたストレスからきた病であろうと言う事です。肩こり、頭痛、胃痛、下痢などがこれにあたるのではないでしょうか?
「所生」とは、症状が一箇所に凝り固まってしまい、動かないものだと思います。つまり、ちょっとした症状も、そのまま放置すると、変形や硬結になり、「所生病」の最後は、ガン等も含まれると思います。
治療に関しては、「是動」は、数回の治療で治る見込みが立てれます。
「所生」は、ある一定期間は継続治療が必要でしょう。
皆さんも、所生病を作らないようにね!