症状

10代後半から40代、特に20代、30代の人に多い病気です。また、力仕事をする人に起こりやすいということはありません。背骨と背骨の間にある椎間板と言うクッションの中にある髄核が、上から押しつぶされ、後ろのほうに飛び出し、そのために背骨の中を通っている神経が圧迫され、腰痛や坐骨神経痛を起こすものです。髄核が飛び出すのは第四腰椎と第五腰椎の間か第五腰椎と仙椎の間がほとんどです。したがって刺激される神経は第五腰髄神経か、第一仙髄神経です。髄核は、たいてい左右いずれかに偏って飛び出しますので、症状は、片側の腰からもも、ふくらはぎの後ろ側に沿って痛みます。ひどいときは背骨をまっすぐにして立つこともできません。せきをしたり、りきんだりすると、腰はもとより足先にまでひびくこともあります。

特徴

仰向けに寝て、ひざを伸ばしたまま、足を上げようとすると、腰から太ももや、ふくらはぎのうしろ側が痛んで高く上げられないのは、この病気の重要な兆候で、ラセーグ徴候といいます。痛くて靴下をはこうとするような動作ができにくくなります。

治療

このように、ヘルニアになる原因は、背骨の圧迫によるもので、その背骨の圧迫の多くは、背筋のこわばりにあります。背骨の両脇にある背筋が緊張することによって、背骨と背骨の間を縮めてしまうのです。治療はこの縮んだ筋肉を緩めるように行います。背中から、腰にかけての緊張は、胃腸などの調子と関係していることがよくあります。また、腰自体が冷たくなっているものでは、足の冷えが関係しています。これらの隠れた原因を取り除くように治療をしていきます。

手術は最後に!

当院に来院される方で、ヘルニアの手術をしたが、腰痛はいっこうに代わらないという患者さんは少なくありません。確かに、病院などの現代医療では、安静か、牽引療法か、神経を遮断する注射などで効果のないものは、他に手段がないので、次に「手術」と言う流れになってしまいます。当院の行う、はり灸などの手技療法は、発症から、手術が適応と考えられる重症例までの、中間の医療と考えています。病院で、手術と診断された患者さんが、当院の治療を受け、手術を回避できた例はいくつもあります。体にメスを入れるのは、最後の最後です。