症状

「手のしびれ」は、人によって意味する内容は様々で、訴える症状も様々です。当院での、最も多い「しびれ」は、「チリチリと感じる」とか「感覚が鈍くなる」とか「患部が重だるく感じる」などといった、感覚障害がほとんどで、そのほか、「力が入らない」(運動神経麻痺)とか、「感覚が鈍って、力も入らない」(感覚障害と運動神経麻痺)、あるいは「ふるえ」を、しびれと訴えて見える患者さんもいます。
なお、ここでは、脳などの中枢神経に異常のないもの、各種腫瘍などのないものを前提とします。

漢方はり治療では

漢方はり治療では、主に以下の2つの原因を考えます。
*肩、首、背中に問題がある場合・・・事故などによる外傷、長時間の手作業、振動が加わる作業、ストレス、精神労働などから、主に背部、特に、後頚部、肩上部、肩甲骨内縁に、異常緊張のみられる場合。
*首の前、胸に問題がある場合・・・原因は先ほどと同じなのですが、主に、首の前、鎖骨の上下に、異常緊張の診られる場合。
つまりほとんどの症状に、肩こりなどの、筋肉の異常緊張が診られ、そこから神経や、血管などの通過障害を起こしているものと考えます。

治療

治療はまず、原因となっている、筋肉の緊張をほぐすように治療します。その後、患部のしびれにアプローチします。漢方はり治療では、経絡という、つぼとつぼを結ぶ道を使って治療します。その為、患部の細かい確認をし、どの経絡に沿って症状が表れているかを確認ます。まず指であれば、親指側なのか、小指側なのか、手の平側なのか、手の甲の側なのかなど。また、腕であれば、腕の前なのか、後ろなのか、そのしびれは、どの辺りまで続いているのかなどを確認します。確認が出来たら、その経絡上にあるつぼに鍼をします。その後に、肩、背中のコリに温める効果のあるお灸をします。最後に、元となる背中のコリに、小さな、先が1mmほど出ている置き鍼(円皮鍼といいます)を刺します。この鍼は、補助療法なので、痒くなったり、チクチクする様な事があれば、簡単にはがす事が出来るようになっています。