下痢は、液状、または液状に近い軟便を排泄する状態で、排便回数は1日2~3回以上になることもあります。もっとも多い下痢の原因は急性胃炎、急性腸炎あるいは急性大腸炎です。肛門に近い腸の炎症ほど下痢便を出します。
急に起こる下痢の多くは、急性腸炎です。腹が痛くなったり、熱が出たりすることがあります。食あたりや暴飲暴食時に多くみられます。傷んでいる可能性のあるものを食べていないか、あるいは海外旅行に行ったりしなかったかなどが重要です。またウイルス性のものはいわゆる「胃腸かぜ」で、地域で流行したりします。また、のんだ薬の副作用、特に抗生物質などの副作用で下痢することも多く、ひどい場合は血便が出ます。精神的な問題でも下痢が起こります。これが神経性下痢です。牛乳を飲むと下痢や腹痛が起きる人があります。「牛乳不耐症」と呼ばれ、生まれつき小腸に乳糖分解酵素がないことが原因です。
しかし、熱も痛みもなく元気な人が1日に2~3回食後に下痢をすることは、それほど心配する必要はありません。

良い下痢と悪い下痢

簡単に言えば、「出してスッキリする下痢」は良い下痢です。寒いところにいたり、前日に暴飲暴食などをしたり、女性の生理前に起こる下痢など、出てスッキリする下痢は、基本的には体が出そうとして出した便なので、良い下痢です。むしろ下痢をしないと体調はさらに悪化します。言い換えれば、「下痢してくれた」と言っても過言ではありません。
悪い下痢は、出たあとぐったりと疲れる、何度も続いて脱水症状を起こしてしまうなどで、このような時は食あたりや胃腸カゼなどで、嘔吐も伴い、明らかに体調不良とわかる場合です。またこのほかに、出してスッキリするが、回数が多く痔などを伴う場合や、便秘薬の服用で下痢しているなども、あまり良い下痢とはいえません。

治療

治療は、「出してすっきりする下痢」を起している方には、主に、体質改善を目的とした治療を行います。暴飲暴食などにより、胃腸に熱を持ってしまっている場合には、胃腸の熱を取るツボを使い、下腹が冷えている場合には主に足のツボを使って下腹を温めように治療します。
悪い下痢をしている場合は、今すぐにでも止めなければなりません。嘔吐を起こしている場合には、さらに脱水症状を起こしてしまいますので、先ず嘔吐をとめるように治療します。その後胃腸の働きを活発にさせるツボを使って治療していきます。