日本人が夏になると決まつて食べる伝統のスタミナ料理、うなぎ。確かにこのうなぎには、疲労回復に効くと言われ土用の丑の目には欠かせない食べ物です。そしてもう一つの定番はご存じ焼き肉パワー。ところが、それでいくらスタミナを補給しても夏になるとなぜかバテてしまう。昔と違って現代人の生活様式は変わっているので、夏バテはスタミナ料理だけじゃまかなえなくなっています。東洋医学ではこの夏バテを大きく「熱証タイプ」と「寒証タイプ」の2つに分けて考えます。

熱証タイプ

クーラーがまだ普及していなかった昭和30年代、夏バテとは単純に猛暑による体力消耗や食欲不振を意味し、いわゆる夏痩せという結果をもたらした。ちょうど炎天下の中で働かれている方や、クーラーのな
いところで肉体労働をされている方によく見られるタイプです。食生活では特別に気をつけることは無いのですが、食欲の落ちたときには、季節のお野菜、特にトマト、なす、きゆうり、枝豆、とうがん、など地面より上になる食物を、お料理の中に一晶加えることをお勧めします。これらの食物は体の芯の熱を冷ます効果があり、体のほてりを冷まします。痩せている方はこまめに水分を取ることもお忘れなく。

寒証タイプ

一方現代の夏バテに多く見られるのは、職場の冷房の効き過ぎにより、冷え性になっているタイプです。冷えた胃腸では焼肉やうなぎなどの脂分を消化できず、ますます胃腸は疲れてしまいます。さらに、除湿でのどは渇くため、ジュースやデザートでますます体を冷やし、カロリーぱかりとって、食欲は無く体はだるいのに、痩せるどころか逆に太ってしまう方もいます。食生活では当然これらは控えめにし、食欲の無いときには、生姜、たまねぎ、にんにく、にんじん、ごぼうなどの根菜類をお料理に数品加えることをお勧めします。根菜類は体を温める作用があり、特にしょうが、にんにくを使ったキムチなどは、食前に食べると胃が温まり食欲を促します。ただしこれらの効能は強いため取り過ぎるとますます胃腸が疲れてしまうためご注意を!また、熱帯夜で寝られない夜は別として、クーラーを使わずに眠れるようであれば、昼間にかかない分の汗を、たっぷりかきながら寝るようにしましょう。