昔とちょっと変わってきている夏バテ

夏バテによる食欲不振も、昔と今とではかなり様変わりしています。昔は炎天下の作業や湿度の多い屋内での生活、栄養価の少ない食べ物などの影響から夏場に体調を崩し食べ物が食べられなくなるのが夏バテでした。しかし現代ではこういった典型的な夏バテは少なく、むしろ冷えによる夏バテの方が多くみえます。クーラーや冷飲食の過食などから胃腸を冷やし食欲不振と全身倦怠感を伴います。

冷え夏バテのタイプ別症状

*胃弱タイプ・・・痩せている方に多く、冷えには敏感でご本人もその事を自覚しているのがほとんどで、暖かいものをとるように心がけているものの、職場にクーラーが入りだすと食欲不振を訴えます。胃腸が冷えやすい上に体も冷やされているので、全身倦怠を伴います。少し動いただけでも疲れます。胃腸が働かないとお腹がチャポチャポといい、酸っぱいゲップや嘔吐、めまいも伴います。

*胃弱で冷えのないタイプ・・・過労、ストレス、冷飲食の過食などが重なるとみぞおちの辺りがポーンと張る、胸焼けがする、そして食欲にむらが出てきます。体調のいいときは食欲旺盛なのですが、そのため冷飲食を過食しすぎて食欲が減退します。数日は食欲がなく食べたいと思わず、お腹がポーンとして吐き気、ゲップ、胃痛、口臭があり、寝つきが悪くなります。

*水太りタイプ・・・暑がりですのでどうしてもクーラーや冷飲食を好むのですが、それが過ぎると下半身に冷えがたまり胃腸が働かず食欲不振になります。このタイプの食欲不振の特徴は「お腹は空くが食べ始めると思ったほど食べられない」と訴えます。胃より下が冷えて働かない状態ですので、食欲があり食べ物が胃腸に入っても小腸、大腸へ流れていかないのですぐに満腹になってしまいます。食欲が正常に戻りだすと胸焼け、つまり感、胃痛、手足のむくみが出てきます。胃は丈夫な為吐き気や嘔吐はありません。

治療

「胃弱タイプ」の方は先ず胃袋そのものを丈夫にする必要があります。そして少しでも食べられるようにするのが先決です。その後冷えを取り除くために、胃腸を暖めるようなつぼを使いハリをします。「水太りタイプ」の方は体内に停滞した水をおしっこや汗で排泄できるようにつぼを使ってハリをします。お腹が冷えている場合には直接大きなお灸で暖めます。この場合のお灸は暖めるだけのお灸なのでやけどは一切在りません。